「おばさん」という価値観の再々構築
- hyggeinfo
- 2022年4月17日
- 読了時間: 8分
【セクシー田中さん】という漫画を読んで 2022/04/17

⇈漫画【セクシー田中さん】より
<老い 著・シモーヌ・ド・ボーヴォワール>の一節
「更年期以降、もろもろの禁忌(タブー)が取り外され、踊りに加わり、酒を呑み煙草も吸う。素敵な男性と並んで腰を下ろすことができる」
これは、女性の老いが、男性の性の対象ではなくなるために 逆に 自由になるという意味だろうか。
男性の性欲という視界に入らないために【女性らしさ】から逸脱してもウザがられないという意味なのだろう。
⇊シモーヌ・ド・ボーヴォワール

<女ざかり 著シモーヌ・ド・ボーヴォワール>の一節
「奥さんが先に亡くなると、ご主人は途端に老け込む。逆の場合、残された奥さんは皆で集まり、おしゃべりなど元気いっぱい!」
老いてこそ、男性から解放され、グッティ(配偶者)が亡くなってこそ、妻という奴隷状態から解放され、自由を得るという感じだろうか。
保険金や、自分の年金を自分で使えるという意味で、金銭的自由も得るかも。

さすがボーヴォワールと思う。
未(わたし)は、言葉で一般人に表すことが難しい女性の不条理や、世の不条理を、見事に言葉に出来ると(他人が表しても、自分が表せても)スッキリする。
未(わたし)は、ちょっとでも、その不条理や理不尽さを軽く捉えようものなら、そんな奴(とくに男性)は認めない。
しかし、ちょっと待てよ。
これで本当に良いのだろうか?
昨夜、ある考えがポッと浮かんだ。
実は、これも【らしさ】【刷り込み】【常識】の思い込みなのではないかと。

2022年4月(今月)日本は女性の結婚年齢が、男性と同じ18歳になった。
これは女性差別ではなく、日本の歴史だという人は多い。
平成27年度 厚生労働省のデータでは平均初婚年齢が女性29.4歳、男性31.1歳。

<結婚適齢期>
平安時代:女性13~15歳頃、男性16~20歳。
鎌倉時代・室町時代:女性10代中盤。
江戸時代:女性20歳前~20代前半(東日本と南九州の女性15~6才、西日本の女性20代前半)、男性20代後半。
ちなみに成人は女性13歳、男性15歳。
明治時代:早婚:女性15歳(適齢期は6歳~20歳)
大正時代:女性18~22歳
昭和時代:女性20歳前後(20歳を超すことも多くなる)

①世界中で女性は性に奔放ではいけないと考えられがちで、男性は逆である国が多い。
「据え膳食わねば男の恥」みたいな感じは、女性は良しとはされない。
②女性は内性器の部分が大きく外性器は男性よりかなり小さいので、男性の勃起や射精のように、性欲が目で見て分かりやすくはない。
ペニス(外性器)は大きく外に出ており、勃起行動が性欲に見え(実際のところは性欲だけではないだろうが)自分自身にも、他人にも性欲があると捉えられやすい。
〔※女性は、おりものが出ます。
おりものは・通常、膣内部の潤いを保って粘膜を守る・汚れの排出・バイ菌が子宮内に侵入するのを防ぐ・排卵時にはゼリー状に変わり精子を受け入れやすい状態にする女性にとって、とても大切なものです。〕
③女性は男性に比べ圧倒的に筋力がないため、男性に従うことは勇気がないことではなく、当たり前の行動の1つである。
もちろん、男性に命がけで歯向かう女性もいて、当たり前の行動の1つであるが、こちらの方が少ない。
①②③のようなことから、今までは、男性本人が未婚であろうが既婚であろうが、女性を探すときに、30歳以上は グッティ(配偶者)がいる可能性が圧倒的に高いと考え、パッと見て30歳以上だと諦めていた可能性があるのでは?
人間ってその時代の刷り込みに性欲も左右される生物だから、結果「おばさん」「ババァ」(性対象として用無しを表すワード)となった可能性はないのかなぁ?
このような慣習から、そう思い込んだだけなのに、恋愛感情も性欲も自分の内から湧き上がる感情なために、自分を疑わず、世間の男性も同じようだから疑うことすら思いつかず、【おばさんは恋愛対象外、性欲外】と思い込んだという意味です。
江戸時代には、数え20で年増〔としま〕、25で中年増〔ちゅうどしま〕、30で大年増〔おおどしま〕と呼んでいる。
年増女(としまおんな)は、娘の年頃を過ぎた女性をさす。
⇊漫画【セクシー田中さん】より、田中さん

ポッと浮かんだ考えとは、
仮に、その女性が結婚していようがいまいが、誰を相手にしても良ければ、もしかしたら、男性は何歳の女性でも相手にしていたのではないか?という仮定である。
しかし実際は、相手の男性がいるので争いになりやすく、その上結婚している女性を奪えば、犯罪者にもなるため諦めていたのだが、そのまま時が経るうちに 30歳以上の女性を恋愛対象に見なくなった という可能性はないのかな?という仮定。
そして女性自身も男性同様、性に対しての強い刷り込みがおこなわれている。
・年とともに性欲は減退していく・・・というか急速に減退しなければならない。
・年をとっても性に貪欲な女性は、「性欲ババア」だと取られる。
しかしだ。
そんな【女らしさ】を取り払ってしまえば、女性だって性欲は男性と同じで、性欲の強い人もいれば、性欲を抱いたことがない人まで様々で、すべて正常なのだ。
世界中のAIに聞いてみたい。
どのくらいの女性がAV・アダルトアニメを見ているのか?
どのくらいの女性が大人のおもちゃを買ったことがあるのか?
仮に日本人男性程、世界中の女性向けにAV・アダルトアニメに溢れていたところで、女は【女らしさ】のせいで、男性よりも実際に借りに行き辛い。
しかし、ネットが流通した今、女性はネットを使い周囲に気付かれずに、オカズを得る。
AIには聞けないが、クレジットカード会社の職員は知っている。
かなりの女性がアダルトコンテンツに興味があることを。

世界のAIよ、
女性がアダルトコンテンツを見られない国・買えない国・買いづらい国は女性差別が酷い国なのか?
年をとって性に貪欲な女性は、「性欲ババア」だと考える人口(女性自身も含めて全性が)の多い国は女性差別が酷い国か?
AIは言うだろう
「はい、そうです。年をとって異常に性欲があることは、性欲が全くないことと同様、正常です。その間にいる女性もすべて正常です」と。
つまり何が言いたいのかと言うと、実際は男性は思い込まされてるんだと。
若い女性がタイプだと。
ボーヴォワールよ、申し訳ない。
今後、女性は年をとっても、男性から性欲対象として解放されることはなく、それによる自由は得られない。
男性の性欲の対象でも、愛の対象でも、どちらでも、あり続けるから。
(もちろん、そもそも性欲も愛も感じない人はいますので絶対ではないのですが、性欲・愛を感じない人は現在同様にマイノリティであり、そして正常です。)
この方が、女性の幸せに近いんじゃないかなんて、安易な未は考えちゃった。
【男性の性欲の対象が、女性が死ぬまでである】人が圧倒的に増えて、それと共に【女性の本当の自由や解放は男性も含めた人間全員の目標である】としたほうが幸せなんじゃないかって。
むしろ、年齢を重ねれば重ねるほど(女性に限らず)その人物の魅力は増していくのだと。
どう考えても、そんな世の中の方が良いではないか。
「おばあさん」「おばさん」は性欲のド対象なのだ。
※もちろん、若い女性同様、その女性が嫌と言えば、それが必ず優先されなければならない。
嫌(イヤ)は好きのうちではなく、イヤはイヤという意味しかない。
そうやって言葉の定義が変われば、もしかしたら、「おばあさん」「おばさん」が、「おじいさん」「おじさん」の対義語として成立する可能性は出てくる。
※「お」や「さん」の問題はありますが。
だけど、どちらにせよ親戚の【おば】【おじ】と紛らわしいので、「おばさん」「おじさん」はどちらも、違う言葉を生まないといけないでしょうけど。
不条理や理不尽を見事に言葉にすることと同じくらい、いや それ以上に【女性都合で幸せな結論に男性を導くこと】の方が、未来の女性のエンパワーメントになる気がしたのである。
今の価値観なんか ほっといて良いんじゃない?
P.S. ボーヴォワールが本当はどう捉えていたかは、未などには分かりません<m(__)m>
もちろんボーヴォワールのことを尊敬していますし、死ぬまでに1冊でも多く読めて、ボーヴォワールのことを少しでも分かれば嬉しいです。
<おわり>

【漫画:セクシー田中さん】金銭的な理由から、2巻までしか買えず、それ以降は読んでませんが、すごい面白いです。
<おまけ>
実際のところ、現在、女性がAV・アダルトアニメを見れたところで、作られているものの殆どが、【女らしさ】や【刷り込み】のもので、ゲンナリする今日この頃です。
例えば、女性向きのAV・アダルトアニメは、現在 女性作家が作っているものだって、男性社長や男性の大金持ちが相手になることが多く、かなり引きます。
だからと言って、ガテン系とかをお金を出してみたいかと言われれば、お金がもったいなく感じる自分がいます。
顔や体だってキレイな男性が出ているAV・アダルトアニメにお金を出したがる自分がいるわけです。
お金を払うまで内容が分からないため、一目で惹かれないAV・アダルトアニメにお金を払うのに躊躇するわけです。中身は面白いかもしれないのに。
それはつまり、結局、男性と同じ状態なわけです。
ただ、未の場合は、男性が自分でフェミニズム本や女性の状況を知ろうとしない人の場合(日本人男性の大多数)、顔が良くても、お金持ちでも 「女性を本当に大切にしたい男性だとはどう考えても思えない」と捉えてしまいます。
結局、セックスの愛称が良くても、顔が良くても、お金持ちであっても、筋肉が美しくても そんなことより、女性の苦しい状況を1つでも知ろうと努力する男性の方が魅力的にうつるように、未の脳は、いつからかインプットされてしまってるみたいです!!
だから、女性向きのアダルトコンテンツも、男性と同じく、今の価値観なんか ほっといて未来のためにゼロから考えるしかないんじゃないかな?
どうしたら女性が幸せになれるのかって。
AV・アダルトアニメ業界が儲かる目線で商品を生み出し続けたら、世の中の女性の基準はすでに変わっているのに(少なくとも未の基準は昔と明らかに変わってるのに)、男性社長や男性の大金持ちが相手の作品を、いつまでも作り続けちゃう。
すでに【儲かる=世間が必要としてる】は、カナリ ズレてるぞ!
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