ダイアナ・ラッセルがフェミサイドについて語っている動画の翻訳 2(本人が出てきてから)2022/03/09
- hyggeinfo
- 2022年3月8日
- 読了時間: 14分
更新日:2022年3月9日
<2011年12月1日(エスター教授から紹介を受け 登壇した)ダイアナ・ラッセルの話>

Thank you so much, Ester for your flattering introduction.
エスター教授、お褒めの言葉をいただき ありがとうございます。
I will do my best to live up to it.
ご紹介に恥じないよう、精一杯頑張ります。
And my heartfelt, great greetings to all of you my sisters who have come to this important event.
そして、この重要なイベントにお集まりいただいた同志たち(姉妹たち)にも、心からのお礼を申し上げたいです。
The title of my presentation is “the origin and significance of the term femicide.”
未(わたし)のプレゼンテーションのタイトルは、「フェミサイドという言葉の起源と意義」です。
I first heard this word 37 years ago in 1974.
未(わたし)がこの言葉を初めて聞いたのは、37年前の1974年のことです。
When a friend in London told me that she had heard that a woman in the united states was planning to title a book femicide.
それはロンドンの友人から、アメリカのある女性がフェミサイドというタイトルの本を出版する予定だと聞いた時でした。
I immediately became very excited by this new word seeing it as a substitute for the gender-neutral word homicide.
未(わたし)はすぐにこの新しい言葉に興奮し、性別を問わないホモサイド【(性別を問うていない)殺人】という言葉の代わりになるワードだと思いました。
I first used the term femicide in public when I testified to the approximately 2000 women from 40 countries who attended the first international tribunal on crimes against women in Brussels Belgium in 1976.
未(わたし)が初めて公の場でフェミサイドという言葉を使ったのは、1976年ベルギーのブリュッセルで開かれた第1回女性に対する犯罪に関する国際法廷で、40カ国から集まった約2000人の女性の前で発言した際でした。

Here is a photo of the participants attending this groundbreaking global speak out.
これは、この画期的なグローバル・スピークアウト(グローバル=世界的・スピークアウト=思い切って話す。遠慮なく話す)に参加した参加者の写真です。
⇈※ダイアナ・ラッセルが企画した女性に対する犯罪に関する国際法廷の写真。
Some of whom also testified about other crimes against women.
そのうちの何人かは、女性に対する他の犯罪についても発言されていました。
We organizers used the term crimes to refer to any and all forms of patriarchal and sexist oppression of females.
未たち(わたしたち)主催者は、家父長制や性差別による女性へのあらゆる抑圧に言及するために、【犯罪】という言葉を使いました。

Belgian feminists Nicole Van de Ven and I compiled a book about this event including all the testimony which we titled crimes against women the proceedings of the international Tribunal which was published in 1976.
Used copies of this book are still available on amazon.com.
ベルギーのフェミニスト、ニコル・ヴァン・ド・ヴェンと未(わたし)は、この出来事について、すべての証言を含む「女性に対する犯罪 国際法廷の記録」という本を編集し、1976年に出版しました。
この本はまだamazon.comで中古本が入手可能です。 (⇇これもダイアナ・ラッセルが話している翻訳です)

Incidentally when I finally discovered that Carol Orlock was the author who had planned to write a book on femicide.
But had never done so, she told me that she couldn’t recall how she had defined femicide.
ちなみになんですが、フェミサイドという本を書こうとして、結局は書かなかったキャロル・オーロックを未(わたし)が探し出したとき、キャロル・オーロックは 「(その)フェミサイドという言葉をどう定義したか自分で思い出すことが出来ない」と未(わたし)に語りました。
She also expressed her delight that I had succeeded in resurrecting this term.
また、キャロル・オーロックは 未(わたし)が この言葉を復活させることに成功したことを喜んでくれました。
That now promises to eventually raise global awareness of the misogynist character of most murders of women and girls as well as mobilizing them to combat these lethal hate crimes against us.
それは(キャロル・オーロックがフェミサイドと言う言葉の復活を歓迎してくれたことは)、女性や少女に対する殺人がミソジニー(女性嫌悪)からなることを認識させること、未たち(わたしたち)女性に対する憎悪犯罪と戦うためにこの言葉が使われることを約束するものなのです。
When I testified about femicide at the international tribunal, I defined it implicitly as a hate killing of the females perpetrated by males.
未(わたし)が 国際法廷でフェミサイドについて語った時、未(わたし)はフェミサイドの意味を暗黙のうちに(きちんと皆に定義を語らなかったのだけど)、男性によって行われる女性への憎悪に満ちた殺害と定義していました。
For example, I stated quote from the burning of witches in the past to the more recent widespread custom of female infanticide in many societies to the killing of women of so-called honour.
例えば、過去に行われた魔女の焼殺から、最近社会で広まっている女性の嬰児殺(えいじ:生まれたばかりの赤ちゃん)の習慣、名誉のために女性を殺害することを述べました。
<魔女裁判・魔女の焼殺についての補足>
⇊スイスのバーデンで1585年に行われた魔女3人の焼殺。

⇊こちらもスイスの焼殺の絵。スイスでは最後に焼殺が行われたのは1782年とあります。

未はデンマークで魔女の人形を焼く祭りに行ったことがあります。
デンマークでは魔女裁判は1609年から1687年まで行われました。
494人が処刑されたと記録されています。
ヨーロッパ全土では、15世紀から18世紀までに4万人~6万人が処刑されたとされ、学者の中には数十万人という人もいます。
⇊<禁断の果実 女性の身体と性のタブー 2018/12/14 リーヴ ストロームクヴィスト 著>には魔女をどうやって見極めたかというと、クリトリスがあれば魔女断定だったと書かれていました。罪に問われれば、ほぼ全員が処刑されたということになります。
判定した男性たちは自分のパートナーにもあることは何ともなかったのでしょうか・・・

⇊これは2021年のデンマークの真夏の祭りの写真です。
デンマーク各地で魔女の人形が焼かれています。
6月23日、聖ヨハネの誕生日の前夜に祝われます。

デンマーク人は、ほとんどの人がそのお祭りに集まり、普通に魔女の人形を焼いて、それを見ながらお酒などを皆で飲んでいましたが、未は見てゾッとしました。
フェミニストのかたで、この祭りについて「未(わたし)のことをユーモアのセンスもないと言うかもしれないけど、こんな祭り最低だ」と怒っている人の記事も見ましたが、未も納得です。
デンマークの人からしたら、毎年のことで、女性への差別だという意識はないのかもしれませんが、こんな祭りを続けることは、いくらなんでも最低だと未は思います。
逆に魔女の焼殺のことを忘れないようにお祭りにしているということでも、やりかたは変えないといけないと思うし、実際 祭りに参加した印象は そんな懺悔の要素は感じられませんでした。
こんな人形を焼くことはやめて、女性も含め、全ての人が、【女性に対して今まで行われてきたことへの後悔と、女性差別の根絶を どうしたら成し遂げられるのか、全ての人が考え、思いを馳せる日(祭り)】にしてほしい。
近年では、インドで2000年から2019年までに少なくとも2975人が殺害されています。
インドでは未亡人を生きたまま焼く風習サティ(Sati, सती:言葉のそもそもの由来は「貞淑な女性」)があり、法律で禁止されていますが、この数を見ると、かなり行われているということになります。

⇊ダイアナ・ラッセルの写真

We realize that femicide has been going on a long time end of quote.
未たち(わたしたち)は、女性殺しが長い間続いていることを認識しています。
Just as murders targeting African-Americans and/or other minority groups are differentiated by those that are the racist and those that are not, so must murders targeting females be differentiated by those that are femicides and those that are not.
アフリカ系アメリカ人やその他の少数民族をターゲットにした殺人が、人種差別主義者による殺人と、そうでないものとに区別されることのように、女性をターゲットにした殺人事件も、フェミサイドのものと、そうでないもので区別しなければならないと感じています。
When the gender of the victim is irrelevant to the perpetrator, the murder qualifies as a femicide’s crime.
被害者の性別が加害者に無関係な場合、その殺人はフェミサイドの犯罪と認定できるのです。
(この未(わたし)の訳は間違えている気がします。
〔被害者の女性という性別が男性の加害者にとって意味があるとき、その殺人は【フェミサイド・男性による女性殺し】の犯罪と認定できるのです〕
のような感じの方が意味がしっくりきます・・・
上手く英語を拾えていないか、意味をキチンと訳せていないのだと思います)
After making minor changes in my definition of femicide over this years, I finally defined it very simply as the killing females by males because they are females.
未(わたし)はこの数年間、フェミサイドの定義を少しずつ変えてきましたが、最終的には「女性が女性であることを理由に、男性に殺害されること」と、ごくシンプルに定義しました。
I’ll repeat this definition the killing of females by males because they are females.
この定義は大事なので繰り返し言います。
「女性が女性であることを理由に、男性に殺害されること」
です。
I use the female instead of women to emphasize that my definition includes baby girls and old girls.
同じ女性と言う単語であっても、ウィメン(women)ではなくフィメール(female)を使うのは、未の定義には、赤ん坊の女の子も、お年寄りの女性も含まれることを強調するためです。
However the term femicide does not increasingly widespread practice of aborting females fetuses particularly in India and China.
しかしながら、未(わたし)は、フェミサイドに、特にインドや中国で広く行われている女性の胎児を堕胎(だたい:人為的に中絶させること)させるという行為は当てはめていません。
The correct term for this sexist practice is female feticide.
この性差別的行為(生まれてくる前に殺される行為)に対する正しい用語はfemale feticide(フィメール・フィタサイド:女の胎児殺し)です。
Examples of femicide include the stoning to death of females which I consider a form of torture femicide.
フェミサイドを分かってもらうために例えをあげるとすれば、女性に対する石打ち刑による処刑なんかがそうです。
<石打ちについて、英語のウィキペディアから抜粋(翻訳)>
石打ち(いしうち)とは古代からつたわる処刑方法の一つである。
下半身を生き埋めにして、身動きが取れない状態の罪人に対し、大勢の者が投石を行い死に至らしめる処刑法。
処刑の中でも最も苦痛が多いとされる

罪人が即死しないよう、握り拳程度の大きさの石打ち用の特別な石を山盛りに準備しておく。
古代のオリエント世界においては一般的な処刑方法であったが、残酷であるとして現在ではほとんど行われていない。

しかし、イランや北部アフリカなどのイスラム教国では未だにこの処刑方法を採用している地域も存在し、人権擁護団体などによる批判の対象ともなっている。
2017年5月31日のパキスタンの部族裁判所の記事で、レイプ被害者がストーニング(石打ち刑)で死刑か、奴隷として売り飛ばすことを命じたというものがありました。その19歳の女性被害者は、いとこに銃をつきつけられてレイプされたということ。
被害者の女性のほうに、このような判決をすることがあることを未たちは同じ人間として知る必要があるでしょう。その記事はこちら
パキスタンの石打ち刑は時々日本でもニュースになっています。
Stoning(石打ち刑)と検索すれば、写真や絵がたくさん出ます。
同じ人間として、知らないでは済まされないでしょう。
Murders of females for so-called honor rape-murders.
いわゆる名誉のレイプ殺人で女性たちが殺害されています。
<名誉殺害について英語のウィキペディアから抜粋(翻訳)>
【honor killing:名誉による殺害】、または【shame killing:恥による殺害】とよばれる。
自分自身または家族の尊厳と名誉として見ているものを保護しようとする誰かによって、家族の一員の一人、または他の個人を殺害すること。
名誉殺害は、しばしば宗教、カースト、その他の階層的な社会階層化、またはセクシュアリティに関連している
ほとんどの場合、被害者が姓、評判、威信に不名誉または恥をかかせたという加害者の信念のために、男性の家族による女性または少女が殺害されます。

部族の習慣に由来している。
名誉殺害を奨励する国の移民コミュニティで流行する。
名誉殺害は農村部や部族地域に関連していることが多い。
都市部でも起こることがある。
国際条約や人権団体によって非難されるが、様々なコミュニティによって正当化され、奨励される。
被害者が部外者である場合、この被害者を殺害しない場合、家族が臆病者、道徳的欠陥で告発され、コミュニティで道徳的汚名をきせられる地域がある。
被害者が家族である場合、被害者がコミュニティの道徳的規範に違反したことになり、家族全員に恥や不名誉をもたらしたとい認識によって、この被害者の殺害が行われる。

例としては、婚前、婚外、または婚前交渉、離婚または未亡人、見合い結婚の申し込み、離婚や別居の申し立て、異なるカーストの人との関係、性犯罪の被害者である(ダイアナ・ラッセルが上で語っている名誉のレイプ殺人はこれだと思われます)、服装が適切でないなどです。
道徳的な結婚以外であったり、同性愛者など性的逸脱に関連付けられ行われます。
女性と男性と両方が名誉殺害の犠牲者になりますが、多くのコミュニティでは、女性に厳しい貞操の基準などがあり、女性と男性では異なる基準があります。
多くの家庭で、名誉が男性による女性の権利を制限する口実として利用されています。
Honor killing(名誉による殺害)と検索すれば、残酷に殺害された恐ろしい写真が多数でてきます。
同じ人間の1人として、知る必要があるでしょう。
⇊ダイアナ・ラッセルの写真

Murders of women and girls by their husbands, boyfriends and dates for having affair or being rebellious or any number of other excuses.
夫やボーイフレンド、デート相手から、浮気や反抗的な態度、その他さまざまな理由で女性や少女が殺害されているのです。
Wife killing by immolation because of too little dowry , death as a result of genital mutilation.
持参金が少なすぎるという理由で焼身自殺する妻、性器切除の結果としての死もあります。
Female sex slaves, trafficked females and prostituted females murdered by their Court owners traffickers John’s and pimps.
女性の性奴隷、人身売買された女性、売春させられた女性が、人身売買業者や売春あっせん者に殺害されることもあります。
And females killed by misogynist strangers acquaintances and serial killers.
それから、ミソジニスト(女嫌い)の無差別犯やミソジニストの隣人や知人に殺害されたり、連続殺人犯に殺された女性たちもいます。
There is a continuum of femicides ranging from one-on-one sexist murders.
このように、女性への殺人は、1対1の性差別的殺人から連続殺人のように連続して殺害されるものまであります。
For example, a man strangling his wife because she plans to leave him.
例えば、妻が自分の元を去ろうとするので、夫が妻を絞め殺すというものもあります。
To one or more males killing a group of women for say refusing to wear the correct attire in public.
一人または複数の男性が、公共の場でその女性たちが正しい服装を拒否したことを理由に、女性グループを殺害するケースもあります。
To the other end of the continuum, for example, mass femicides such as when preference for male children results in the killing or death from neglect of millions of female babies and girls in India and China.
連続犯というカテゴリーには連続殺人以外にも、例えば、インドや中国で、男児を好むがために何百万人もの女性の赤ん坊や少女が殺されたり、放置されて死んだりするような、(人数の多すぎる、連続し続けている)集団女性殺人も考えられます。
⇊ダイアナ・ラッセルの写真

My definition of femicide also includes covert forms of the killing of females.
未(わたし)のフェミサイドの定義には、隠れたかたちによる(法律で禁止されていなくとも、慣習化されたことを意味していると思われます)女性の殺害も含まれます。
Such as when patriarchal governments and religions forbid women’s use of contraception and obtaining abortions.
例えば、家父長的な政府や宗教が、女性が避妊したり中絶したりすることを禁じている場合です。
Consequently, millions of pregnant women died every year and from botched attempts to abort their fetuses.
その結果、毎年何百万人もの妊婦が、胎児を堕ろそうとして失敗し、亡くなっているのです。
And from promiscuous aids infected males continue to feel entitled to have sex with their wives, girlfriends and/or prostituted women and girls.
そして また、(乱交などによって)エイズに感染した男性が、自分の複数の妻やガールフレンド、あるいは売春婦や少女とセックスする権利があると信じ続けています。
The sexist behavior causes the deaths of millions of these women and girls.
この男性の性差別的な行動は、この女性たちや少女たちを何百万人も死に至らしめています。
So do AIDS infected males who refuse to wear condoms to protect their female sex partners and the females whom they rape.
エイズに感染した男性たちが、セックスパートナーの女性や、レイプした女性との行為にコンドームを拒否するのも同様です。
Including the common practice in parts of southern Africa where many males rape babies including their daughters.
Believing that these barbaric acts will cure them of AIDS.
南部アフリカの一部では、多くの男性が自分の娘を含む赤ん坊をレイプするという一般的な習慣があります。
このような野蛮な行為によってエイズが治ると信じているのです。
Hence, I consider AIDS resulting in the deaths of females to be a form of femicide.
これゆえに、未(わたし)は女性の死をもたらすエイズは、フェミサイドの一形態であると考えているのです。
動画翻訳3につづく
ダイアナ・ラッセルそじんが話している動画から英語をとっており、よく分からない単語や、どこに句読点を打てばよいのか分からないものもあり、変なところで改行していた利すると思います。
なんとなくでも自分が知りたいし、伝えたいために翻訳しており、英語が得意でなわけではありませんので、ご了承ください<m(__)m>
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