大切な人を支えるために出来ること・リーフレット⑤2022/05/25
- hyggeinfo
- 2022年5月24日
- 読了時間: 13分
更新日:2023年7月31日
※長いので、勝手に挿絵を入れます(デンマークのサイトと絵は関係ありません)。

〔長期的な支援方法について〕
<性的暴行を受けた後の日常生活>
家族の一員として、また近親者として、性的暴行後の実際に起こる問題に対処しながら、日常生活に対処することは容易ではありません。
仕事をしなければならなかったり、家事をしなければならなかったり、世話をしたり、お迎えに行く子どもがいたりします。
難しい事ではありますが、家族が元の日常生活に戻ろうとすることは助けになります。
たとえば、あなたの娘さんが被害に遭い、他にも子ども達がいる場合、他の子ども達は 今まで通り 学校に通わせることが良いでしょう。
最初は明らかに困難ですが、ゆっくりと再出発することが出来ます。
他の人の手を借りることは、とても有益です。
心理面のサポートと実質的なサポートのどちらも得ることで、状況に対処できるようになります。
あなたのパートナーや 子どもが 性的暴行・性的虐待に遭った場合、いつもの生活の小さな問題・・・例えば仕事で上手くいかなかった日、食事での些細な揉め事など に対処することは難しいかもしれません。
しかし、大きな問題(性的暴行事件)から少し離れて、かわりに日々の問題に時間をかけても良いのではないでしょうか。
一般的に、自分自身のケアも行い、たまには充電する時間を確保することが一番の助けになると思います。
詳しくは(デンマーク語のリーフレットの)34ページを読んでください。
(後程 訳して書きたいと思います)

<どんな支援が出来るか>
<実践的な課題>
・必要であれば、日常の家事や実務を担当する
被害者以外の人にとって小さな実務に感じることでも、被害者は圧倒されて出来なくなっていることが多々あります。
また被害者以外の人が一般的に行っていることでも、"もうどうでも良い" と 感じているかもしれません。
子どもがいる家庭にとっては、そのお子さんの面倒をみてあげると とても助かります。
例えば、お子さんと遊び場へお出かけしたり、お弁当を作ったりすると助かります。
また、弁護士や警察と継続的に連絡を取り続けることも助けになるでしょう。
・被害者がしたいこと・出来ることを叶える
近親者として、被害者が必要としていないことはしないこと。
勝手に引き継がないこと。
<相互協力・社会的交流>
もし、あなたが被害者と一緒に暮らしていないなら、被害者は連絡する気力もないことを忘れないでください。
被害者があなたに連絡や手紙を書いていない場合でも、被害者は社会的な交流や、具体的な手助けを必要としています。
そのため、あなたから定期的に連絡を取るようにしましょう。

※補足
「気の置ける人」=「気を遣ってしまう人」という意味
「気の置けない人」=「気を遣う必要のない親しい人」という意味

痛みを取り除こうとするのではなく、その痛みを受け入れること
<不安>
買い物やバスに乗るなど、無害と思われることでも不安になることがあります。
理詰めで被害者を諭さないようにしなければなりません。
不安も後遺症の一部として、あなたの方が受け止めなければなりません。
小さな一歩で、恐怖に打ち勝っていくサポートをする他ありません。
<性的暴行・性的虐待の体験談に耳を傾ける>
被害者が起こった事について話す準備が出来たら、時間をかけて話を聞きます。
邪魔をしないで話を聞く。
被害者が泣くことを恐れて、話を聞かないなんてことは しないでください。
涙が出るのは自然なことであって、あなたが事態を悪化させているのではありません。
<「すべて上手くいく」「人生は続く」というような発言はやめる>
相手が危機に瀕している、危ない状態であることを尊重してください。
被害者から痛みを取り除こうとするのではなく、被害者の居場所を確保するように努力しましょう。
(被害者が感じるまま、信じるようにしないと居場所の確保は出来ません。)
<聞き続ける>
トラウマになる経験をしているということは、その後 何度も自分の話をする必要があるかもしれません。
(トラウマは何度も何度もその人の人生を苦しめます)
<被害者がレイプについて話さない時>
被害者自身が、誰に支援を求め、誰に打ち明けるか 選ぶことも大切な事です。
これは、両親やパートナー(配偶者・恋人)にとってみると、被害者が他の人を選ぶことを意味しますので、厳しい事です。
あなたは自分の子どもや自分のパートナーの第1の支援者になりたいからです。
1番の支援者になれないとしても、出来ることは沢山あります。
ケアやサポートを提供することも重要です。
また、被害者の健康状態にも目を配ることが出来ます。

あなたは、「"被害者自身がどんなことを感じているか・何を考えているか"を、第一支援者から聞いても良いかなぁ?」と被害者本人に尋ねてみても良いでしょう。
サポートを被害者が選択することは、必ずしもあなたへの信頼の欠如を表しているわけではないことを理解することが重要です。
被害者は あなたを守るために 敢えて 他人の方に 打ち明ける選択をするかもしれません。
あなたを怒らせたり、心配させたりしたくないのです。
支援者は本人が選ぶと言うことを受け入れる
<被害者が誰にも話したがらない場合>
被害者が誰にも話したがらないこともあります。
理由はさまざまです。
・医者、病院、警察、法律などの公的なシステムに関わりたくない
・被害・事件に関連して恥をかくことを避けたい
・罪悪感がある
・あなたや近親者の反応が怖い
・加害者に対するアンビバレント(曖昧)な感情
・加害者から「何も言うな」と脅迫されている

被害者が性的暴行・性的虐待を一人で抱えてしまうことは不幸なことです。
これは、その被害者が必要とする手助けやサポートを受けられないことを意味します。
被害体験を他の誰かに話すかどうかを決めるのは被害者本人のみです。
しかし、近親者のあなたは、自分や家族や近親者があなたの味方でいて、話を聞きたいと思っていることを知らせることが出来ます。
また、レイプ・クライシス・センター(レイプ被害者センター)で心理学者に相談できることを伝えてください。
被害者はあなたの反応に気づいている
性的暴行・性的虐待に遭った人の多くは、被害の話を聞いた友人や家族がどのような反応をするのか心配しています。
ネガティブな反応を恐れている人もいます。
また、近親者が動揺しないか心配する人もいます。
被害者にとって、性的暴行・性的虐待そのものよりも、近親者の反応の方が実は苦痛であることがあります。
〔メッテ(レイプ被害者)の言葉〕
皆(近親者)に沢山のことを考えさせることが心苦しい。
皆の悲しみと怒りに耐えられません。
何が出来るのか
・あまり激しく劇的な反応をしないようにする。
・加害者に復讐するというような暴力的な発言は避けてください。
・自分の経験をあまり語らないようにする。
これらは被害者にとっては、特に性的暴行直後は難しい事かもしれません。
同時に、明らかに性的暴行・性的虐待の影響を受けていること(つまりあなたが気にかけていること)を被害者に示すことが重要です。
家族の一員、また近親者として、バランスを取ることが重要です。
リーフレット⑤〔長期的な支援方法について〕おわり

<ここからは、I(わたし)の感想なので、読む必要はありません>
この項目〔長期的な支援方法について〕では、I(わたし)には受け入れがたい記述が 結構 多かった気がします。
もしかしたら 他の被害者の為になる可能性があるので、一応書きます。
ある意味では、この上の文章に疑問なく読み進められた人というのは、
I(わたし)という被害者とは、このページ内の以下に書いてあるところだけでも相違があったということです。
I(わたし)は、一度 読んだだけで すでに拒否反応が起きているからです。
これは、I(わたし)がデンマークのレイプ被害者センターに訪れたら、このセンターを信用できていない可能性が高いと言うことになります。
そのくらい被害者は分かってもらえるところがないと感じているものです。
被害者が信じられないと感じてしまうと、そこから被害者に信じてもらうところに戻すのは至難の業です。
I(わたし)は、専門家に真正面から「違う」とは、ほとんど言えないです。
デンマーク人の性犯罪被害者ならば 率直に専門家に言えるかと言うと、日本人のI(わたし) 同様言いづらい、言えない可能性も 大いにあると思います。
Iの読み間違えだったり、デンマーク語サイトの訳し間違いだったとしても、書いていた方が良いと考えます。
どこがどう 受け入れがたいのか、訳したばかりの今すぐには 説明は出来そうにありませんが、なぜなのか一応自分なりに考えて書いてみます。
(理由は、いつも何年も経って分かってくるものですが)
理不尽だと捉えられそうなことも 理由として可能性があることは、そのまま書きます。
<受け入れがたい、拒絶反応が起こった記述>
・家族が元の日常生活に戻ろうとすることは助けになります。
Iは、家族や、そもそも人が、日常生活を送れていることに腹立たしさを感じています。
家族が 高価なものを買うたびにイライラしています。
こういう時だいたい、"この人間には分からない" と心の中で疎外感を感じているような気がします。
・大きな問題(性的暴行事件)から少し離れて、かわりに日々の問題に時間をかけても良いのではないでしょうか。
自分から性的暴行事件に深く首を突っ込んでくれた人なんて居た試しがないというのに、
「日々の問題に時間をかけても良いのではないでしょうか」と専門機関に言われることに、強い拒絶反応、腹立たしさを感じました。
・①あまり激しく劇的な反応をしないようにする。
・②加害者に復讐するというような暴力的な発言は避けてください。
・③自分の経験をあまり語らないようにする。
この3つとも Iには良い意味で受け入れがたさを感じました。
①劇的な反応してくれる人が Iには一人いるけど、Iは とっても嬉しい と 思っています。
②(本当に復讐されると嫌だけど、)
弟が「オレ、(どれだけ姉ちゃんが苦しんでるかとか話をしに犯人のところに)行ってきたろか?」って言ってくれた時 や、
お母さんがヤクザを雇うだの言ってたらしいことを聞いた時 や、
大事な人たちが加害者に暴力的なこと言って怒っている時、
どうしようもない程 嬉しくて、ホッとします。
もちろん、本当に復讐して 一度しかない皆の人生の1分でも、これ以上 余計になるなんて、悔しすぎるので ぜったいに嫌です。
それに、こんな女卑男尊が当たり前の国に生まれて生活すれば、加害者も生まれやすいから、そういう意味で加害者だって被害者だとも思えるし。
Iも男性で生まれていたら見抜けなかったと思う。
だからって性暴力は駄目だけど。
少なくとも、Iの人生は根こそぎ やられてしまいました。
被害者の人生を奪ってしまうものです。
(もちろん、そうではない被害者だっていますが、I の実感の話です)
レイプは 加害者の理解とは かけ離れていて、理不尽・残酷すぎます。
③「わたしは窃盗にあったんだから、あなたの強姦の方が全然マシよ」と言われたときは苦しかったけれど、
そういうのではないのなら、
自分が被害を話した後、相手から "自分にはこんな苦しいことがあったのだ" と打ち明けてもらえた時、I は 毎回 とても嬉しかったです。
・弁護士や警察と継続的に連絡を取り続けることも助けになるでしょう。
この記述の説明は長くなります。。。
警察や弁護士や裁判のお手伝いをしてくれると被害者は助かるとのことですが、正直 I には複雑です。
(これも被害者によると思います。
以下は、あくまでI の感じ方です)
人の認識が自分と似通っていれば良いですが、本当にそんなこと有り得るでしょうか・・・
例えば、今から学校で司法制度やジェンダーについて教えはじめて、10年後とかだと有り得るのかもしれませんが、
司法制度を学校で教わってもない Iたち(私たち)日本人が、
また、実被害にさえ遭っていない人が、 手助けを出来るものでしょうか・・・
被害者の親が「お金じゃない」と言うのを よく聞きました。
I の母も同じことをI に言いました。
裁判官や検事も同じように考えている人は多いような気がします。
本当にそうでしょうか?
被害者に清廉潔白を求めているのでしょうか?
本当にそんなことが清廉潔白でしょうか?
被害者をさしおいて、そんなことを言っている人間こそ お金のことばかりで吐き気がします。
被害者本人が「お金じゃない」と考えている人もいます。
もちろん、被害者本人が自身のケースを言うのなら良いんです。
その人自身の事件なのですから。
I のように無気力で働けなくなっている人も多くいます。
犯人の実刑が、働けないI の助けをしてくれていますか?
働けないんですよ?
お金どうするんです?
もう被害から19年も経っていて、今だに働けないんですよ?
I の人生は、寄生虫の様な人生です。
男性に寄生したり、年金に寄生したり
被害者にとって、必要なのは 生きていくために必要なお金です。
資本主義的な国において、お金という代価は 生きていくために必要です。
加害者が仮に死刑になっても、お金が被害者に払われるような形が必要だと思います。
例えば、レイプをしたら実刑10年になったとして(日本でこのような量刑はないでしょうが)、その間 加害者は捕まっているのだから被害者に支払われない・・・のではなく、国民の税金から払われるとする。
「税金を使いやがって」と被害者に言うのはお門違いです。
例えば、全く働けない人は、公務員と同等の給料が支払われることにする。
それまでのお給料の方が良かった人は、その給料が支払われることにする。
例えば、5万円働けた人は、国に5万円返すことにする。
「そうしたら、働く被害者いなくなるじゃないか」というのはお門違いです。
もし、性犯罪被害者に当たり前に税金を使って良くなれば、【性暴力加害者を生まないような国造り】に力を入れるしかなくなるくらい、本当は被害者は多い。
日本なんて本当は女性全員が性犯罪被害者とも言えると思うし。
東京パラリンピック・オリンピックに合わせて、コンビニで成人向け雑誌を継続して置く店舗は0.2%になったと言う。
しかし、近所のコンビニには全然置いてあった。
偶然0.2%のコンビニがこんなすぐにあるものなの??
なにが成人向け雑誌だ、何が成人誌だ。
女性だって成人だし、実は成人男性の多くが、すでにネット利用していて、ここまで女性や子どもたちを苦しめてまで置いておく必要を感じてないんだよ!!!
男性が必要を感じていたってダメだし。

⇊ウィキペディアより、日本のアダルトビデオコーナー

このようなことが まかり通ってきた国では、性暴力や性虐待の被害者は 多い。
しかし、会社に訴えても、裁判しても全く補償されなかったり敗訴する。
被害を名乗った方が仕事を首になる事も多い。
実父からの被害でも、無罪になる。
だから、親族から被害に遭っている人は名乗にくい。
男性の性被害者も名乗りにくい。
しかし、性犯罪にあった時点で、公務員と同等のお給料を一生保証してもらえるなら、被害を訴える人だって出てくる。
日本の税金は湯水のように性暴力の被害者に使われていくことだろう。
グレイソン・ペリーは書いた。
加害者の殆どが男性であるなら、女性からその税金を貰うのはいかがなものかと。
男性からのみ徴収すれば、男性が 本気で女性への性暴力問題について考えるのではないかと。
この様な事を、I が心の中に止め、人に言わずして、代理を務めてくれる日本人の友人や 日本人の家族が分かってくれるのだろうか?
日本の警察や弁護士や検事なら分かってくれるのだろうか?
無理だ。
こんなことが一般的に伝わるのなら、イギリス人のグレイソン・ペリーが近年 執筆しているはずがない。
イギリスでさえ一般的でないから、執筆者は書くのだから。
だとすれば、本当に友達や家族は 【被害者の代理】が務まるのだろうか?
弁護士だって 同じ理由で、代理は務まっていない。
<この記述(リーフレット⑤)で良かったこと>
・(被害者に何の連絡もなく)勝手に引き継がないこと。
この記述は有り難かった。
近親者ではないのだけれど、PTSDの権威が勝手に I に何の連絡もなく I の担当を他の医師に代え、I のカルテを勝手に他の精神科医に渡したことも、【勝手に引き継がない】 に当たると思う。
こういうことをしている精神科医は、クライアントを 人間扱い出来ていないことを認めるべきだろう。
〔I の感想 おしまい〕
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