大切な人を支えるために出来ること・リーフレット⑦2022/05/26
- hyggeinfo
- 2022年5月26日
- 読了時間: 6分
更新日:2023年7月31日
※デンマークのリーフレットには、絵や写真はありません。Iが勝手に入れています。
〔警察に通報して、裁判になった場合〕
裁判になった場合、被害者はおそらく召喚される(呼び出される)でしょう。
裁判に呼ばれることは、被害者にとって不快な経験になるかもしれませんが、法廷で証言する時に、少し楽にする選択肢がいくつかあります。
<被害者が選べる選択肢>
・一部の関係者以外には見せないように、閉ざすことが出来る
被害者が法廷で証言している間、関係者以外 傍聴・立ち合いを出来なくさせることが可能です。
・報道機関による被害者の映像の禁止、流用の禁止をあらかじめ約束させる
・被害者が証言している間、加害者を法廷から出すことが出来る
これらの選択肢について、検事に相談してみてください。
検事が判事(裁判官)に被害者の意思を伝え、判事が可能かどうかを判断します。
〔性的暴行・性的虐待を警察に通報しない場合〕
警察に通報しないことを選択する人もいます。
様々な理由で警察に通報しないことがあります。
レイプ被害者センター(CfV / レイプクライシスセンター)では、その場合でも同じようにサポートします。
警察に報告するかどうかは、被害者が決めることです。
警察に通報する・しないは関係なく、被害者のかたで疑問がある場合、当レイプ被害者センターの心理士や看護師に相談することが出来ます。
また、被害者が警察に報告したいときや、警察に質問があるときには、警察に連絡する手助けも致します。
性的暴行・性的虐待に遭った後1週間以内に当レイプ被害者センターで診察を受けられた場合、その結果をこちらで6か月間保存致します。
これは、被害者が警察に通報するかどうかを検討する時間になると考えます。
6か月以内に被害者が通報を決めた場合、警察に連絡することになりますが、当センターで被害直後1週間以内の診察と追跡が行われていると、時間が経っていても、警察に提出でき、警察が これを証拠として使うことが出来ます。
警察への通報は昼夜問わず可能です。
しかし、緊急ではない場合、平日の朝8時~午後3時に連絡することをお勧めします。
この時間、性犯罪に慣れている調査員と話すことが出来る可能性が高いからです。
〔リーフレット⑦ 裁判になった場合・通報しない場合 おしまい〕
ここからは、Iわたし)のことなので、読む必要はありません
<I(わたし)のケース>
名も知らない加害者から性的暴行に遭い、被害2日後に警察に通報した時、担当になった警察官は、
一度「どんな形でも告訴できる」とI(わたし)に言っておきながら、その後、「あなたが電話してきたとき、すでに2日経っていて、遅すぎたから 告訴 出来ない」と 発言を翻(ひるがえ)した。
その対応がどれほど酷いか、このデンマークのページを見て、よく分かりました。
<デンマークの被害者センターのサービス>
・被害後一週間以内に検査すると、レイプ被害者センターで診察した内容を6か月保存してくれる。
・事件後6か月まで、警察に通報できるように、その時間を与えてくれている。
・仮に、通報していなくても、被害から何年経っても センターは相談にのろうとしてくれる。
(補足:被害後何十年も経ってから、PTSDを発症する人もいる。
※正確には、3歳で性被害に遭うなど、性暴力が 被害者の意識下にある状態で認識できていない状態は、それがPTSDではないとは言えないと I は考えます。
その後、被害者が30才ごろ思い出して、急速に体調を崩し混沌とするというようなことが多々あります。それが何十年も経ってPTSDを発症した という言い方になっています)
I の被害当時も、日本に 警察病院は ありました。
最初の警察で、(告訴受理に対して)酷い断られ方をした後、ネットカフェでどうしたら良いのかを友と話し合い、(友はボイスレコーダーを買いに行ってくれ)I は他の警察署に行きました。
他の警察署では 何よりも まず警察病院に連れて行ってくれました。
最初に行った警察署で、すぐ警察病院に連れて行ってくれていたら 証拠が出たかもしれません。
警察は、制度や個人の考えよりも、被害に遭った人を助けようという心意気をみせるべきです。
それがあれば、被害者は安心するのです。
女性差別の酷い国は 日本に限らず多いです。
そんな国で、制度や法律や宗教規則や習慣などを 確認しても 碌(ろく)なことがないから、そんなものよりも、 一緒になって 一生懸命 女性や被害者のために動くことが大切!!
それが、女性や被害者が無気力になることを防ぐ方法だと思う。
<日本がデンマークのセンターや裁判所に見習うべきところ>
この記述を見ると、デンマークといえども、当センターの検査までの時間は、1週間以内という被害者にとって厳しいもの。
(もちろんI のケースのように、担当警察官が「2日後に通報するなんて遅すぎる」と被害者に言うわけではないが)
これは、犯人の精液や、レイプドラッグなど、証拠保全のために、犯行後すぐが望ましいということなので、仕方がない部分もあるが、それは被害者のせいではない。
むしろ、こんな規定があると、1週間を過ぎた被害者は一生苦しむ日々を過ごしていく更なる被害者だ。
また、犯行後すぐに器具を挿入して検査したり、加害者の精液を自分の中から検出する検査が出来る被害者ばかりでもない。
(検査が出来たからと言って、傷ついていないわけでも もちろんない!)
デンマークに見習うべきところは、検査するまでの時間と、警察への通報のスピードとを 分けているところ だと感じました。
検査する所(レイプ被害者センター)と、通報する所(警察)が分かれることで、通報しなくても検査結果を取得することが出来るから。
アメリカのMetoo運動では、性暴力から何十年も経ったあと、被害者が名乗り始めた。
何年も経過した後に名乗ることが、アメリカでさえ2017年ということに愕然とする。
こうしてレイプ被害者センターのような専門機関で検査をしておくことで、これからは 6カ月以内でなくとも、何十年経ってからでも裁判が可能になるということに繋がるのではないだろうか!!
被害者が何十年も苦しんだ後、名乗りを上げる時、レイプ被害者センターによる被害直後の診断をもっていることは、とても心強い。
そのため、今後は センターでの6カ月の保存期間が終了しても、処分してしまう前に センターから被害者に 【この診断書を自分で保管したいかどうか】を聞く必要があると思う。
※Metoo運動:
2017年10月5日、【New York Times】でハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインが20年以上、多くの俳優や従業員にセクハラを行ってきたことが暴露される。
10日には【New Yorker】の記事で、セクハラだけでなくレイプもしていたこと、また
2015年にニューヨーク警察が録音していた証拠音声も公開された。
名乗り出た人数は80人以上。
当時、ワインスタイン65歳、資産総額3億ドル(約336億円)。
ワシントンポスト等各社「10年くらいの刑」と予想したが、は禁錮23年の実刑判決が下された。
ワインスタインの弁護士は「殺人犯より重い判決で納得できない」と語った。

【警察署で担当警察官との話し合いの後、外で(帰る時)】
担当警察官:そんなに悪い奴なら、捕まえることは出来ない
I:でも、どんな形でも告訴できるって仰いましたよね?・・・
(「告訴するなら、○○県{実家}に帰ることは出来ない」と言われて、その覚悟を言ったのに。
これは、被害後 働けなくなって、お金もないのに、実家にも戻ってはいけないと警察に言われ、覚悟をするしかなかったという意味)
担当警察官:これからは、一人の闘いになっていくと思うよ。
(もう来るなという意味)
〔I のケース おわり〕
<デンマークの裁判所の写真>
⇊krestenhillerup.dkより、デンマークの最高裁判所の写真


⇊krestenhillerup.dkより、コペンハーゲン市裁判所の写真

⇊domstol.dkというサイトのエスビャウにある地方裁判所の写真
このサイトではデンマーク10か所の裁判所が紹介されています。

〔おしまい〕
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