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子宮移植についての各国の記述①<アラビア語>

更新日:2022年2月27日

2022/01/31

子宮移植で子供が生まれていると知り、各国で子宮移植がどう報じられているか調べてみようと思います。




<アラビア語での“子宮移植”の記述を日本語和訳してみます>



オーストリアの首都ウィーンで29歳のオーストリア人エミール・クヌールが、卵巣移植に関する最初の研究を発表し、ウサギで実験。

この研究が1918年の子宮移植につながる。


1964年、1966年、ミシシッピ医療センターでエルスラン、ハマーニック、ハーディ

動物(犬)への自主移植を成功させ、妊娠もした。


2010年、スウェーデンのヨーテボリ大学産科婦人科のディアス・ガルシアらは、世界初 マウスでの子宮の移植に成功し、子どもを産ませることに成功した。 


<人への移植>

1931年、デンマークのトランスジェンダー女性(たぶん、正確にはインターセクシュアルのかた:映画になった人)のリリー・エルベは世界初、子宮移植をドイツで受け3か月後に拒絶反応で亡くなった。

⇊リリーエルベ

⇊2015年にイギリス、アメリカ、ドイツで製作された伝記映画

<映画の原題はTHE DANISH GIRL.デンマークの女の子。邦題はリリーのすべて>


This is not my body I have to let it go.(訳:これは自分の体ではない。手放さねばならぬ)



Find the courage to be yourself.(訳:自分らしくいる勇気を見つけよ)




2000年、サウジアラビアでワファ・ファジ博士が46歳の患者(閉経後)から26歳の女性に子宮移植を行った。子宮は99日間しか働かず(その間2度整理による出血はあったのだが)、血液凝固のために子宮を取り除くことになった。このことで、倫理的な論争になった。


2011年8月9日、トルコの医師チームが生まれつき子宮がなかったトルコ人女性(21歳)に、世界初になる亡くなったドナーからの子宮移植が行われた。

2013年4月12日、この女性は妊娠し、合併症を防ぐために帝王切開による出産になった。

しかし5月14日胎児の心音が確認されず、8週目で終わりを余儀なくされた。



2012年、スウェーデンで初、ヨーテボリ大学サルグレンスカ大学病院のスウェーデン人医師による母と娘の子宮移植が行われた。



2016年2月24日、アメリカで初、クリーブランドクリニックで子宮移植が行われたが合併症のため、子宮は摘出された。さらにカンジダによるイースト菌感染が局所動脈に損傷を与え、切除しなければならなかった。


<最初の妊娠の成功>


2014年9月、スウェーデン(ヨーテボリ大学の産婦人科教授ブランストローム博士率いるチーム)で、36歳のスウェーデン女性が赤ちゃんを1.8キロで出産。


この女性が子癇前症(しかんせんしょう:妊娠中の高血圧やタンパク尿を特徴とする疾患)を発症したことで約32週で帝王切開によって出産することになりました。

2013年に61歳の生きているドナーから子宮を受け取ったとのこと。


このかたは子宮はなく、健康な卵巣がありました。

そのためこの女性の卵子を使うことができ、夫の精子とともに、移植された子宮に移されました。


この技術は帝王切開の時に子宮を損傷するため、将来の妊娠には不向きだと考えられています。妊娠中に1回、軽度の拒絶反応が3回ありましたが、薬で解決されました。


また、当時 移植された子宮を使用して、他にも何人かが妊娠していたことが報告されています。

現在の技術はインプラント(移植)であり、妊娠成功の後、子宮摘出術を受ける一時的なものである。


これは感染のリスクが高くなり、生涯免疫抑制薬を服用することを避けるためです。


このヨーテボリ大学の研究は1999年からはじまったものですが、この処置は非常に高額で、保険適用は厳しいと思われます。



また、他の不妊治療の方法とは異なり、部の専門外科医によって、指定されたセンターでのみ行われるかなり新しい手順であり、感染や臓器拒絶反応を含むリスクを伴います。



一部の倫理専門家は、生きているドナーへのリスクが高すぎると考えており、移植は救命処置ではないため、手順全体が道徳的に認められないと考えているようです。


<手続き>


子宮移植は、ドナーから子宮を得るための手術から始まる。

子宮を保存する必要があるかもしれません。

低温虚血・虚血の研究では、子宮貧血は24時間以内であることが示されています。


受取人(医師)は3つの主要手術を行う必要があります。

①まずは、移植手術です。

②妊娠が起こった場合、帝王切開が行われます。

③レシピエントが免疫療法で治療できるように、子供を持った後、子宮摘出を行う必要があります。


<倫理問題>

子宮移植の費用の考慮に関係なく、子宮移植は複雑な倫理的問題を伴っています。


2012年に提唱されたものが、【モントリオール基準】です。


10月にはローマで発表され、2013年、子宮移植の倫理的実現可能性は「不妊」と「不妊症」(の人が対象である)ということが国際基準として公表されました。


(こういう公表は、いつかトランスジェンダー女性が妊娠できるようになったときに、技術は可能なのに、差別や偏見によってそれが叶わないことに繋がる可能性が高いです)


具体的な国際基準は【受け取り側(レシピエント)】【ドナー】【ヘルスケアチーム】の条件を規定しています。


①レシピエントは、最初に子宮を治療しようとしている間、移植に医学的禁忌を持たない女性であること。

彼らは母性に適しており、心理的に適切であり、治療と互換性があり、処置のリスクを認識する可能性が高い。(この文言は遺伝的な女性にだけ子宮移植を認めており、あまりにも差別的で、見てるだけで吐き気がしてきます。

いくら安全優先とはいえ、医学はどんどん進むのですから、その時の技術でこのような記述をするのは酷いと思います。)


②ドナーはこの妊娠のための処置に何も弊害のなかった、生殖可能な年齢の女性で、自分の死後もドナーとして提供することに同意しています。これに強制はなく、ドナーは精神的に健全で十分な情報を得た上で判断をすることができます。 


③ヘルスケアチームは、Moore IIIの基準を満たした機関に所属し、双方にインフォームドコンセント(十分な情報が伝えられた上での合意)を提供します。

利益相反は必要なく(どちらもの利益になる必要はなく)、レシピエントやドナーがこの情報を得られる権利を放棄することなく、身元を保護することができます。


<アラビア語の子宮移植についての記述おわり>

 
 
 

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