<男らしさの終焉>男性著①
- hyggeinfo
- 2022年2月17日
- 読了時間: 8分
更新日:2022年10月4日
2022/02/17

<本文①>
イギリス人女性の四十五パーセントは、ドメスティックバイオレンスか、性的暴行か、ストーカーの被害にあっている。
ドメスティックバイオレンスの被害者の七十パーセントは傷害をおっていて(これに比べ、知人による暴力事件では五十パーセント、不審者による暴力事件では四十八パーセント、強盗では二十九パーセントの被害者が傷害を負っている。)
被害者とケアサービスと国は、ドメスティックバイオレンスに対して一年間におよそ二百三十億ポンド(約3兆5880億円 / 2022年2月17日現在1円=156円換算)を費やしている。
世界的に行われた複数の調査によると、殺人事件の女性被害者の半数は、当時あるいは昔の夫やパートナーに殺害されている。
(略)
肉体的に強くなることと、他人に害を加えるために その強さを用いることは別である。
男性は筋肉を増し、リスクを取れるように進化したかもしれないが、男性による危害のほとんどは、しつけのせいだと私は思う。
(略)
男の子がいじめられていたら、父親はこういうかもしれない。
「立ち上がってやり返せ」。
男性が激しく攻撃することは いまだに当然とされているが、相手に深刻なトラウマを与えかねない。
(略)
家庭内暴力を受けて育った男性は、そうでない男性に比べて、暴力的で虐待を行い人間になる確率が三倍から四倍高い。暴力は暴力を生むのである。
もっと恐ろしい性の不均衡を挙げてみる、暴力の九十パーセントは男性によるものだ。
この統計だけでも、政府はジェンダーを政策の中心に置いてもいいと思うが、そういう話は耳に入ってこない。
イギリスの財務相では、毎年数百億ポンドもの予算を男性犯罪に充てている。
女性納税者がこれに税金を払うのをやめたとしたらどうなるだろう。
政府はいわゆる「タンポン税」を廃止して、男性に暴力事件の損害を請求してもいいだろう。
それで男性が経済的な打撃を受けたら、男性はジェンダーの問題をもっと真剣に考えるようになるだろう。
<⇊本に載っている絵>・・・うまく写真撮れてません。

<本文②>
刑務所の収容者の九十五パーセントは男性である。彼らが犯罪全体(暴力的であれ非暴力的であれ)の約七十五パーセントを行っている。
男性ならではの期待(強くあれ、与えろ)にどうにもいかなくなっている男性は、こうした男性の役割を全うしようとしても、その機会を奪われてしまった場合、犯罪に手を染めてしまうことがある。
父親が不在の混沌とした家庭で育ち、学校で苦労し、資格も仕事も得られないと大人になる段階で気が付いた少年は、やり場のない男性的なエネルギーに囚われてしまうケースが多い。
多くの男性、特に権力にアクセスできない人々にとって、屈辱から逃れることはとても難しい。
プライド、尊敬、自己肯定感が得られるルート(例えばスポーツの才能、高学歴、高収入の仕事、コミュニティで敬意を受ける役職など)に進めない若者の多くは、代わりとなるものを提供する状況<犯罪など(未による加筆)>に本能的に惹きつけられてしまうようだ。
<⇊本に載っている絵>
著者曰く、スーツを着ていると どんな悪い人間でも皆のなかに溶け込んで、目立たなくなってしまうらしい。上品ぽく装い、昔ながらの男性優位の価値観を押し付けてくるらしい。
その視点、考えたこともなかった!ナイスです!

<本文③>
四十五歳未満のイギリス人男性の死因で、最も多いのは自殺である。
世界的に見ると、男性の自殺者数は女性のおよそ二倍で、途上国では三倍、東欧の一部の国では六倍だとされている。
多くの男性にとって、男らしさは命にかかわる重荷なのだ。
これらの数字は、人間らしい交際ができないと感じている孤独で憂鬱な男性の氷山の一角である。
みんなで屋根からこう叫ぼう。
「男らしさのかたちは、あなたが好きに決めていいんだよ」。
イギリスと日本の自殺者 女男比率
<⇊イギリスのデータはFULL FACTというサイトから抜粋>
males and femalesの順になっていることも注目!

<⇊日本のデータはnippon.comというサイトから抜粋>

自殺者:女性を1としたときに、男性の倍数を数値化したもの
<⇊radditというサイトから抜粋>

本書では、途上国では、自殺者は女性の三倍とあります。
・・・たしかに男尊女卑が強い国のほうが、(経済で発展途上などと差別的な視点より、)発展途上国と言いたいです!
<⇊本に載っている著者が考えたステキな男性の権利>

<本文④>
若い男性を導く進歩的な男性ロールモデルは誰だろう。
大勢いそうだが、実生活で、ロールモデルになるのは誰だろう。
フェミニストに五人挙げてもらおう。
オバマ?デビット・ベッカム?ダライ・ラマ?ブラッド・ピット?うーん。難しい。なにしろ、こうした有名人がプライベートではどんな人物なのか誰も知らないからだ。
<本文⑤>
私はイズリントン地区の親たちに、おてんば娘と女々しい男の子では、どちらを自分の子供にしたいか尋ねてみた。
すると、ジェンダーニュートラルの子育て方針にヒビが入った。
チュチュを着て妖精のステッキを振り回す六歳の男の子や、オーバーオール姿でプラスチックの剣を振り回している女の子を連れて、父親は大通りを歩くだろうか?
彼らは後ろめたそうな顔をする。
まるで「あなたは正しい。でも、男性の性役割は厳しく監視されています。
我々も監視し合っています」と言いたげだ。
だが、先ほどの質問はアンフェアでバイアスがかかっている。
私たちの社会では、「女々しい」とは女性的な男の子を侮辱する悪口であり、男性的な女の子を意味する「おてんば」は、粗野で活発というネガティブな含みがある。
「女性的な男の子と男性的な女の子では、どちらの子供にしたいですか?」という質問なら、フェアかもしれない。
とはいえ、これも選びづらそうだ。
つまり、親は、男性的な男の子、あるいは、女性的な女の子を望んでいるし、「男」や「女」にすっと当てはまらない子供に対して、社会が不親切なことを懸念しているのである。
<未(わたし)の意見>
この本はとっても素敵です。
<本文④>の【実生活で、ロールモデルになるのは誰か?オバマ?デビット・ベッカム?ダライ・ラマ?ブラッド・ピット?うーん。難しい。】という著者の質問を読みながら、
「いや、ʻoe (オエ:ハワイ語で“あなた”)だろ!」とジムで読みながら声に出してツッコんでしまった程だ!
ただ、他の殆どの本にも言えることですけど、イギリスや日本はとくに、女性より男性を先に持ってきて話すことを、この期に及んで まだ変えていない国だとも思う。
多様性に配慮したフェミニスト本などを読んだ時に、女性より男性が先に記述されている場合、その国の男尊女卑が酷いことを意味する。
だって、男尊女卑なくそう!って本なのに、その記述なんだから。
それが、分からなければ、日本のように、チママンダ・ンゴズィ・アディーチェの本【WE SHOULD ALL BE FEMINISTS】を【男も女もみんなフェミニストでなきゃ】って訳しちゃう・・・しかも女性がそう訳しちゃう・・・残念だけど、男尊女卑が酷い国にいると、女性でさえも、その酷さに気づけない。酷いが故に気づけないのだ。

↓
よって、「女性的な男の子と男性的な女の子では、どちらの子供にしたいですか?」という質問はフェアではない!のだ
経済力ではなく、筋力差の観点から、女性を先にもってくることを徹底する方が、結果的に男性の心も落ち着く結果になると未(わたし)は考えています。
そのため、本文⑤の並びを変えてみます。
並びを変えても言葉の男尊女卑問題があり、分かってもらいたいから、↑上記の本文⑤は赤く塗りました。
その言葉は、ここでは変えません。並びだけを変えます。
<本来の男性的 本文⑤>
私はイズリントン地区の親たちに、おてんば娘と女々しい男の子(この並びで良い)では、どちらを自分の子供にしたいか尋ねてみた。
すると、ジェンダーニュートラルの子育て方針にヒビが入った。
オーバーオール姿でプラスチックの剣を振り回している女の子やチュチュを着て妖精のステッキを振り回す六歳の男の子を連れて、父親は大通りを歩くだろうか?
彼らは後ろめたそうな顔をする。
まるで「あなたは正しい。でも、男性の性役割は厳しく監視されています。
我々も監視し合っています」と言いたげだ。
だが、先ほどの質問はアンフェアでバイアスがかかっている。
私たちの社会では、男性的な女の子を意味する「おてんば」は、粗野で活発というネガティブな含みがあり(駄目な部分であっても、女の子の方を先に持ってくる配慮が必要)、「女々しい」とは女性的な男の子を侮辱する悪口である。
「男性的な女の子と女性的な男の子とでは、どちらの子供にしたいですか?」という質問なら、フェアかもしれない。
とはいえ、これも選びづらそうだ。
つまり、親は、女性的な女の子、あるいは、男性的な男の子を望んでいるし、「女」や「男」にすっと当てはまらない子供に対して、社会が不親切なことを懸念しているのである。
<本文⑥>
進歩的な男性は混乱している。
正しいことをしたいと思って何かをしても、何千年も続いた男性の悪行に汚されていると感じてしまう。
私の世代の男性は、同じ男性のことで謝り続け、「強姦魔ではありません」という首輪をつけていないといけないと感じている。
暗い道を一人で歩く女性を怖がらせないように、引き返したりルートを変えるなど、妙な行動をしたことのある男性と何度か話したことがある。
<⇊本に載っている著者の写真>

<ネットに出ている著者の写真>
⇊著者グレイソン・ベリーそじんはトランスヴェスタイト(異性装家)でもある。
かっちょいい!






<コメント><Comment(Yomale=men)>
男性の権利については、これを読んで気持ちが助けられる人は多そうな気がする。
I think there are a lot of yomen(=men) who can be helped by reading this about yomen's rights.
それを分かって他の性別の人にも権利を与えられたらいいのかな。
It seems to me that we yomen should be able to understand this and give the other sex the same rights as we do.
うん、すごくそう思ったよ。
Yeah, I really thought so.
実は男性性によって自殺する破目になっている人を助ける本だと思った。
In fact, I thought it was a book to help those who are doomed to commit suicide because of their masculinity.
<コメント><Comment(Yomale=men)>
自分がパワハラを受けてた時に、この本があったらって すごく感じた。
I really wish this book had been available when I was being harassed.
Comentários